掛川茶市場開きが21日に決まって、掛川の新茶シーズンももうすぐ始まります。
少し掛川茶についてまとめてみました。
掛川茶といっても一昔前は定義が曖昧ででしたが、掛川茶のブランド力を強化するために掛川茶振興協会の内部の定義として以下のように決まられています。
掛川産掛川茶
掛川市内で生産された荒茶を100%使用した商品。
掛川茶
掛川市内と、同市に隣接する境界地域で生産された荒茶を100%使用した商品。
ただし、境界地域の荒茶を使用する場合、市内産の荒茶を50%以上含有しなければならない。
(※「境界地域」とは、市境に隣接して気候や土質、地形、栽培管理、製造方法などが市内と同様の地域。)
中国茶や他県、他地区の安い荒茶を仕入れて混ぜたら、掛川茶としては販売できないようになっています。
また掛川市内の茶産地としては大きく原野谷川流域の西部地区、粟ヶ岳山麓の東部地区、倉真川水系の北部地区、小笠山北麓の南部地区の4つがあり、以下のような特徴があります。
(掛川茶商協同組合掛川茶マップ参照)
原野谷川流域を含む西部地区
掛川茶業発祥の地・和田岡が所在し、桜木、原田を中心とする地区です。清流、原野谷川から立ち昇る霧に包まれて、鮮やかな緑の水色を誇るお茶の産地として知られています。
掛川茶業発祥の地に関してはこのように伝えられています。
掛川市においては、戦国時代に和田岡村高田(掛川市内)の永住寺の改築にあたり、檀徒が京都方面の寺院を視察した際にお茶の種子を持ち帰り、和田岡村吉岡原(掛川市内)に播いたのが始まりだといわれます。
粟ヶ岳山麓を含む東部地区
標高532m、太平洋から南アルプスまで見渡せる景勝地、粟ヶ岳の山麓は、日東地区を中心に、茶園が高い所に位置しているため昼夜の寒暖差が多く,この地区ならではのマイルドなお茶へと成長します。
また、世界農業遺産に認定された茶草場農法という、良質茶の栽培を目的として茶園にススキの敷草を施す農法が伝統的に行われてるのも特長です。
倉真川水系を含む北部地区
西郷、栗本をはじめ、秘境の温泉地として知られる倉真、源泉を含む地区です。この地区のお茶の特徴は、何といっても、その香り。特有の土質によって香り豊かなお茶が生まれます。
小笠山北麓を含む南部地区
小笠山の麓の上内田、西南郷、曽我、掛川を中心とする地区です。穏やかな気候に守られ、早摘みが可能なことから、明るい色とやわらかな喉越しのお茶が喜ばれて居ります。
水色の西部地区、マイルドな味の東部地区、香りの北部地区、やわらなのどごしの南部地区と、掛川茶でも各地区の特徴があるんですね。